Works

■2022年

ジブリパークとジブリ展 公式パンフレット

発行:ジブリパーク
印刷:大日本印刷
デザイン:松永路
発売:2022年7月16日
仕様:全64ページ/カラー/A4判ワイド
定価:1200円(税込)
© 2022 Ghibli Park

構成と編集を担当しました。

2022年11月にオープンとなったジブリパークの開催にあわせて、パークのメイキングや、パークで監督を務めた宮崎吾朗氏の仕事を紹介する展示企画のパンフレットを制作しました。工事中のジブリパークの現場や、展示物の製作現場に何度も訪れ、取材と撮影を行いました。開催前の作業となったため苦労しましたが、ジブリパーク社のスタッフと、制約の多い中、難しい撮影をこなしてくれた竹中博信氏、荒木則行氏、橋本貴雄氏には感謝の言葉しかありません。

 

大地の芸術祭2022公式ガイドブック

発行:NPO法人越後妻有里山協働機構(発売:現代企画室)
印刷:三永印刷
デザイン:松永路、宇都宮美鈴、井上直子、草野リカ、彦根大助
発売:2022年4月25日
仕様:全232ページ/カラー/A5判
定価:1400円(税込)
© 2022 Echigo-Tsumari Art Triennale Executive Committee / Echigo-tsumari Satoyama Collaborative Organization

編集を担当しました。

2022年の4月から11月にかけて、新潟県の越後妻有地域で開催された「大地の芸術祭」の公式ガイドブックです。当初は2021年に開催予定でしたが、コロナ禍により1年の延期。そのためガイドブック制作スケジュールも大きくずれ、編集が私を含め3人、デザイナーが5人の総動員型プロジェクトとなりました。当初はもう少し現地のスタッフやアーティストの思いをダイレクトに反映したものを目指していましたが、残念ながらコロナ禍によりほとんど実現できませんでした。そのかわり、現地に常駐していたアートフロントギャラリーのスタッフや、十日町市役所の方々から全面的な協力と助けが得られ、総合ディレクターの北川フラム氏の舵取りによって、何とか完成することができました。

 

 

■2021年

庵野秀明展 図録

発行:朝日新聞社
印刷:大日本印刷
デザイン:彦根大助
発売:2021年11月25日
仕様:全496ページ/カラー/A4判ワイド
定価:4620円(税込)
© 2021 朝日新聞社

編集を担当しました。

2021年10月に国立新美術館で開催された「庵野秀明展」の図録です。朝日新聞社とATAC(アニメ特撮アーカイブ機構)による全面的な協力と監修にて、膨大な量となった展示作品の記録を残すことができました。編集サイドの希望として、とにかくページ数をケチらないでほしいとリクエストした結果、500ページ弱の大ボリュームとなりました。後はとにかく時間との戦いで、開幕に間に合わないのは仕方ないとして、開催中に何とか発売にこぎつけホッとしました。なおこの展示は2022年末現在、全国を巡回中です。

 

角川まんが学習シリーズ 世界の歴史

発行:KADOKAWA
印刷:共同印刷
デザイン:ムシカゴグラフィクス
発売:2021年2月25日
仕様:全226ページ/カラー/B6判
定価:1045円(税込)
© KADOKAWA CORPORATION

シナリオを担当しました。

旧知の編集者からの依頼で引き受けた仕事です。学習マンガのシナリオということで、監修の大学の先生が歴史的な事件や出来事を踏まえた大まかなプロットをもとに、楽しく読みやすいドラマ仕立てのストーリーを作るというのが与えられたミッションでした。第17巻、18巻、20巻の3冊を担当、とくに第20巻はほぼ現代の話なので、歴史上の人物ではなく、事件や出来事を見聞きする人を設定した、独自の構成になっています。

 

宮崎駿とジブリ美術館

発行:岩波書店
印刷:図書印刷
デザイン:STORK
発売:2021年1月16日
仕様:全174ページ+424ページ(2冊組)/カラー/B4判変型
定価:27500円(税込)
© 2021 Studio Ghibli

構成と編集・ライティングを担当しました。

仕事の依頼があったのは2017年頃だったと思います。それからかれこれ3年半くらいかかってようやく完成しました。その間に別の仕事もいくつか手がけていましたので、ずっと掛かり切りというわけではありませんでしたが、にしても長い仕事でした…。ただ、その掛けた時間に見合った内容になっていると思います。美術館を作るために描かれた、宮崎駿氏による膨大な数のイラストやスケッチ。これらを大きなサイズで一枚一枚しっかり見せていき、解説を書き加えるというシンプルかつ重層的な構成を目指しました。

 

■2020年

ジ・アート・オブ アーヤと魔女

発行:スタジオジブリ(発売:徳間書店)
印刷:図書印刷
デザイン:彦根大助
発売:2020年12月31日
仕様:全224ページ/カラー/A4判
定価:3410円(税込)
© 2020 Studio Ghibli

構成と編集を担当しました。

スタジオジブリ在籍中に担当していたジ・アートシリーズの最新作です。今回は外部の編集者として担当しました。このシリーズは、膨大な素材の中から掲載するものを選ばなくてはならないのですが、制作スタッフと離れて作ることの難しさを痛感しました。最終的にはベストの素材を掲載することができましたが、そこに至るまでのやりとりはなかなか大変なものがありました。

 

絵本 くろもり谷の夏

発行:自主制作
印刷:三永印刷
デザイン:松永路
発売:2020年11月11日
仕様:全64ページ/カラー/A4判
定価:非売品
© Takashi Miyano

編集を担当しました。

スタジオジブリ在籍時の元同僚の吉川俊夫君から、アニメーション背景美術家の宮野隆さんを紹介してもらいました。宮野さんは、仕事の傍ら独自で絵本を描いており、それを本のかたちに出来ないかという依頼でした。出版社に企画を通すのではなく、100部限定で自主制作として作りました。制作プロセスは通常の本作りと全く変わらず、デザイナーさん、印刷所さん含め、とてもよい仕事をしてもらえたと思います。

 

ジャストコーズプロダクション 会社案内

発行:ジャストコーズプロダクション
印刷:アサヒ精版印刷
デザイン:松永路
発売:2020年5月
仕様:全16ページ/カラー/A4判横
定価:非売品
© 2021 Studio Ghibli

編集を担当しました。

映画「シン・ゴジラ」でCG(プリヴィズ)制作を担当したジャストコーズプロダクションさんからの依頼で、会社案内をリニューアルしたいとの依頼でした。会社案内は初めての仕事で、制作途中で社屋の引っ越しなどもあり、思わぬ苦労もありましたが、担当者および代表の理解と協力もあり、いい感じのものに仕上がりました。表紙の写真は真っ白にしか見えませんが、社名のロゴが白地の上に白文字で入っています。

 

社会包摂につながるアート活動のためのガイドブック

発行:東京文化会館
印刷:三永印刷
デザイン:TAKAIYAMA.Inc
発売:2020年3月31日
仕様:全104ページ/カラー/B5判変型
定価:非売品
© 2020 東京文化会館

編集サポートとライティングを担当しました。

メインの編集を担当したのは、モ・クシュラの大谷薫子さん。私はいくつかのコーナーの編集とライティングを行いました。アートを通じて高齢者や障がいを持つ人が社会とのつながりを持つことができる。それを多くの人に知らせ、それに携わる人を育成するのが目的の本でした。自分も知らなかったことばかりで、いろいろ考えさせられました。同時に、音楽や美術の持つ力を改めて考える良い機会になったと思います。

 

■2019年

高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの 図録

発行:NHKプロモーション
印刷:凸版印刷
デザイン:彦根大助
発売:2019年7月1日
仕様:全256ページ/カラー/A4ワイド判
定価:2300円(税込)
© 2019 NHKプロモーション、東京国立近代美術館

構成と編集・ライティングを担当しました。

スタジオジブリ在籍時にお世話になった高畑勲監督が亡くなられて1年と少し。生前から企画されていた高畑勲展がようやく開催されました。図録の制作を依頼された時は、高畑氏の膨大かつ詳細な資料の山に圧倒され、こんな短い時間で作れるはずがないとも思いましたが、限られた時間の中で、とにかく全力で作るという展示チームに負けないよう頑張りました。ページ数の制限もあり、すべての資料を載せられなかったのは残念でしたが、叶精二氏や氷川竜介氏による詳細な解説、近代美術館の学芸員である鈴木勝雄氏による、高畑氏の多様な側面の記述などにより、読み応えのあるものになったのではないかと思います。

 

ジブリの大博覧会 増補改訂版

発行:スタジオジブリ
印刷:図書印刷
デザイン:小松季弘
発売:2019年3月20日
仕様:全66ページ/カラー/A4判
定価:800円(税込)
© 2015 Studio Ghibli

編集・ライティングを担当しました。

2015年に開催された「ジブリの大博覧会」では、中綴じのパンフレットの編集を担当しました。同博覧会は、全国を巡回しているうちに、展示内容も大幅にパワーアップし、その要素も加えた増補改訂版を制作することになり、その編集とライティングを行いました。最大の見せ場は、造形家・竹谷隆之氏がデザインを担当した「王蟲の世界」の展示です。その制作現場に何度もお邪魔し、完成した巨大な造形物の写真を撮影し掲載しました。写真撮影は、フォトグラファーの上山陽介氏にお願いし、きちんと記録に残すことができたのが何よりの成果だと思っています。

ジブリの大博覧会沖縄展公式サイト(2019年9月8日まで開催)

https://www.rbc.co.jp/event_information/ghibli-okinawa/

 

■2018年

熱風 2018年11月号 濱口竜介ロングインタビュー

発行:スタジオジブリ
印刷:図書印刷
デザイン:川島弘世
配布:2018年11月10日
仕様:全88ページ中25ページ/モノクロ/A5判
定価:無料(フリーペーパー)
© Studio Ghibli

企画と編集・インタビュー構成を担当しました。

映画「寝ても覚めても」がとても素晴らしかったので、ぜひお話が聞きたいと思い、企画しました。インタビュアーをしていただいた三浦哲哉さんが面白い話を引き出してもらい、これまでの映画雑誌などでは読めない、監督の人間性に迫るインタビュー記事になったのではないかと思います。インタビュー中に鈴木敏夫プロデューサーがふいに現れ、映画のとあるシーンをめぐる刺激的なやりとりもなかなか痛快でした。「熱風」は年に一度くらいしか特集担当はやらせてもらえませんが(その要因は主に自分の力不足なのですが)、これからも面白いもの刺激的な企画を考えられればと。

 

■2017年

ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法 図録

発行:日本テレビ放送網
印刷・製本:大日本印刷
デザイン:彦根大助
発売:2017年4月8日
仕様:カラー280ページ+モノクロ16ページ/A4判変型横
定価:2800円+税
© Disney

構成と編集を担当しました。

スタジオジブリ在籍時に、東京都現代美術館での展示図録の編集を担当していた縁もあって、声を掛けていただきました。ディズニー側の担当であったクリスティンさんは、2009年に開催された「メアリー・ブレア展」も担当された方です。その時に担当した図録を気に入ってくれていたこともあり、今回も楽しみながら本を作ることができました。

「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」の展示は、2017年4月から9月まで、日本科学未来館で開催されました。私も何度か会場に足を運びましたが、老若男女じつに多くの人が訪れており、改めてディズニー作品の力を感じました。

 

熱風 2017年6月号「坂元裕二インタビュー」

発行:スタジオジブリ
印刷:図書印刷
デザイン:川島弘世
配布:2017年6月10日
仕様:全76ページ中21ページ/モノクロ/A5判
定価:無料(フリーペーパー)
© Studio Ghibli

企画と構成を担当しました。

2017年1月〜3月に放映されていたテレビドラマ「カルテット」がとても面白く、放映開始直後にインタビュー企画を考えそれは通ったのですが、さすがにその時は多忙の為に断られてしまいました。諦めずにその半年後に再度お願いしたら快諾していただき、実現した特集企画です。インタビューは、以前からお付き合いのあった朝日新聞社の石飛徳樹さん、まとめはライターの小野田弥恵さんにそれぞれお願いしました。坂元さん自身、インタビューを受けるのは5年ぶりくらいとのことで、面白く興味深いお話を聞くことができました。

 

新居浜が生んだジブリの動画家 近藤勝也展 図録

責任編集:スタジオジブリ
発行:新居浜市
印刷・製本:図書印刷
デザイン:彦根大助
発売:2017年7月7日
仕様:オールカラー/112ページ/A4判
定価:1000円+税
© Katsuya Kondo

構成と編集を担当しました。

2017年7月から9月に、愛媛県新居浜市の「あかがねミュージアム」で開催された、「新居浜が生んだジブリの動画家 近藤勝也展」の公式図録です。スタジオジブリイベント事業室からの依頼で、編集を手がけることとなりました。

新居浜は近藤勝也さんの生まれ故郷で、取材をさせていただいた際にも、故郷での面白いエピソードを聞くことができ、そのコメントも収録しています。ページ数の都合で、展示されたすべての絵を載せることができなかったのは残念でしたが、かといって絵の掲載サイズを小さくしてしまうのも勿体なく、絵を厳選して原画の魅力を伝えるべく、色味や筆致を可能な限り再現しようと頑張りました。

 

ジ・アート・オブ メアリと魔女の花

責任編集:スタジオポノック
発行:KADOKAWA
印刷・製本:図書印刷
デザイン:松永路
発売:2017年7月25日
仕様:オールカラー/304ページ/A4判
定価:3200円+税
©2017 STUDIO PONOC

構成と編集を担当しました。

2017年夏公開の劇場用長編アニメーション『メアリと魔女の花』。その制作過程に描かれた背景画や作画資料などを収録したアートブックです。スタジオジブリ在籍時からこの「ジ・アート・オブ」シリーズ(徳間書店より刊行)の編集を担当していた流れで、スタジオポノックから声を掛けて頂きました。それまでのフォーマットも踏まえつつ、「余白を減らして絵を多く入れる」「美術だけでなく作画の仕事も紹介する」「台本は入れない」「絵を可能な限り大きく見せる」「カバーはマットコートではなくグロスコート+特色イエローを採用」などなど新たな工夫を凝らしてみました。印刷会社のプリンティングディレクター立ち会いのもと、1枚1枚、完成画像と見比べながら校正を進めるなど、アートブックの新たなフォーマット作りの第1歩とするべく頑張った作品です。

 

スタジオポノック絵コンテ集 メアリと魔女の花

著:米林宏昌
発行:KADOKAWA
印刷・製本:図書印刷
デザイン:川島弘世
発売:2017年7月25日
仕様:オールカラー/602ページ/A5判
定価:3600円+税
©2017 STUDIO PONOC

編集を担当しました。

「ジ・アート・オブ」と同時進行となり大変な思いで作った作品です。こちらも徳間書店から発売されたジブリ時代の絵コンテシリーズを踏襲する作りとなっています。製作予算の関係で、装幀周りの仕様がやや劣ってしまったのは残念でしたが、オールカラーで描かれたものをカラーで見せるという部分は守れたので、コンテの魅力は伝えることができたのではないかと思います。米林宏昌監督は、これまでは紙に鉛筆で描いていましたが、本作の絵コンテは、iPadを使って描いています。よく見ると鉛筆のタッチとは異なることがわかるのではないかと思います。原版がデータということで、線の濃さや色味の正解がわからず、テストで地味目・ノーマル・派手目の3パターンを作って監督にどれで行きます? と聞いたところ派手目でとの解答があり、その方向で印刷をしています。

 

■2016年

ジ・アート・オブ シン・ゴジラ

責任編集:庵野秀明
企画・編集・発行:株式会社カラー
印刷・製本:大日本印刷
デザイン:松永 路
販売:株式会社グラウンドワークス:
発売:2016年12月30日
仕様:オールカラー/560ページ/A4判ワイド
定価:9800円+税
TM&©TOHO CO., LTD

構成と編集を担当しました。

カラーの編集担当より声を掛けていただき、2015年11月にスタジオへ赴きました。当初は翌年夏の映画公開にあわせての発売を目指していましたが、準備及び制作段階の資料が未整理のまま膨大に残されていたのと、責任編集の庵野秀明監督が、映画本編の作業を終え、写真やシナリオなどの素材一つ一つを自ら選定、レイアウトやインタビュー原稿を確認・修正していくという、凝りに凝った内容となっています。スタッフインタビューものべ40人以上となり、4度の延期告知を経て、2016年末にようやく発売となりました。

編集とレイアウトのポイントは、隙間を作らずみっちり埋めるということ。アートブックはあえて余白を大きく取ることも多いのですが、庵野監督の好みは、隙間をなくし、写真(または絵)と写真の間の余白や写真と本の裁ち落としまでの余白も限りなく小さくし、写真(または絵)はシンプルかつ大きく見せ、そこに含まれている情報をきちんと見せるというものでした。

情報を出し惜しみせずに盛り込んでいくことで、多くの人の支持を得、自分としても、編集の面白さと難しさを再確認できた仕事となりました。

 

(タイトル部分の写真は、写真家・荒木則行氏が撮影したものです)